アメリカ公演記

シアトル近郊 PUYALLOP/9月21日

PUYALLOPはシアトルから車で1時間半くらいのところです。 友人がシアトル在住なので彼の車で行きました。
会場まではいかにもだだっ広いアメリカの郊外の道路を行くんですが、この近辺は 農業畜産振興のフェスティバル会場になっているらしく、牛や豚の品評会などが行わ れるのだというのです。う、牛や豚ぁ???そういえば家畜のかぐわしい〜においが…、 でも、かつて貨物列車で降り立ったりする様がハマリすぎだったから、案外こののん びり〜ムードは合ってるのかも。

フェスティバル会場に到着。やはりだだっ広い。ど田舎であります!。 お子さん方が手に手にバルーンを持ってるし…そしてなにやら花屋敷のような遊園地 がいっしょにくっついているのですねぇ。
会場はそんな中にあって、野外!であります。会場名「PUYALLOP FAIRGROUNDS」、 どう見ても2000人も入っていない。当日券多分余っていたでしょう(泣)。もちろん ダフ屋の影も形もおりまへん。PAのセッティングですが、スピーカーは吊り形式のデ コレーションなのが両サイドにかなりのボリュームでぶら下がっており(音、かなりよ かったですよ)、両サイドなんとオーラビジョンがサービスされておったのです!! 日本公演でもなかったよねぇ。そんな遠くないんだよ、アリーナの後ろだって。ど田 舎なんて言って悪かったです。

 観客層ですが、30代40代がほとんどで(たぶん)家族づれ、"お父さんと息子"の組み 合わせがやけに目立っていました。日本公演でもそんな光景が見られましたが、いい なぁ、自分の好きなミュージシャンを息子と見に来るなんて。
 さて、前座の前に司会者が現れ、「さーこれからミス○○がアメリカの歌を歌います。 皆さんご一緒に〜」って、あっけにとられていると、かっぷくのよい女性が「あぁぁ ぁ〜め〜〜りかぁああ〜わが祖国うぅぅぅ〜!!!…」みたいなノリで朗々と歌い始 めちゃったんです。うっ、一瞬これは共和党かなにかの集まりかとたじろいでしまっ たです。でもそのあと地元のいかにもの、アメリカのオジサンバンドが登場したので ホッ、ああよかった。

前座が終わってセッティングが変わりますよね。日本だと(ロンドンでも)ただ客を 待たせているんだけど、アメリカって… アトラクションを用意しているのですなぁ、またあの司会が出てきて 「皆さん夜空をごらん下さい、いまから6人の若者がパラグライダーでこの会場横に 一人ひとりタッチダウンしま〜す!!さぁ最初はロビンだよ〜」ふぇぇぇぇ〜!ロ、 ロビン君なんですかっ。本当にびっくりするくらい、みんな上手に降りてきました。 それぞれいろいろな色のライトを背負って…。大拍手。…先生もこれをみてるかな〜 〜
すべてがなんかこの調子でのんびりと楽しんでいるのですねぇ。でも、そのうち、ほ らだんだんワクワク度が高まってきました。隣のおじさんも後ろの人もそわそわして るし(私もだ)、前の方ではJeffをコールしている!

そしてやっと始りました。全員総立ちでバンドを迎えています。大歓声!で、What mama saidが始まった!と同時に……全員着席!してしまったんですっ。 ええええぇ!!??なに、座ってみるのぉ?!ものすごい不満〜! と、最初は思いました。でも観客が冷めていたのかというと、そうでもなく、演奏が 終わるたびにすごい歓声と総立ちの拍手!で演奏が始まるとまた着席。…その時はよ く分からなかったのですが、どうやらアメリカ人は立っちゃうと色んな体格の人がい るから、見られない人が出てくる、それはフェアじゃない、と考えているらしいんで すな。 確かに、私の前のお兄さんの大きさはハンパじゃなく、私の横幅3倍くらい縦も1.25 倍くらいはありそうだったし、座ってくれているため、前から17列くらいだったのです が、全くストレスはなかったです。すごーくよく見えた。う〜んこれもいいかも。でも やはり少しサビシイかな。

で、ライブの印象ですが、JEFFはなんだかリラックスしていてめちゃ機嫌がよさそう !ガムの1メートル吹き上げもやっていたし、体のキレやステージアクションも、も ちろんプレイも冴えている!なによりびっくりしたのが、バンドとしてのカラーを強 く出していたところです。Set Listもかなり変わっていたし、(おおまかにロンドン 公演の9日と同じでした。メドレーにGoing Downが含まれていたと思う。)LED BOOTS, BLUE WIND,その上なんとSpace for the PaPaが消えていた。かわりにRolling &Tumblin,SlingShot..
Rolling & Tumblinのカッコいいことと言ったら!最初あのエモーショナルなフレー ズが流れてきたとき、あまりにも有名なフレーズなのに曲名が分からず、情けなかっ たです。Jeff、Jenniferの二人の"JB"が延々ギターバトルを繰り広げるのがもぅ気絶しそう にかっこいい!! Jeffのアグレッシブで一種すっとんきょうなタッチとJenniferの正確無比で硬質な音 色、イメージもキャラクターも全く異なる二人がJenniferは東京公演ではあくまで Jeffのサポートという立ち位置だったのが同等のギタープレーヤーとしてJeffと渡り 合っているんです。Jennifer〜〜ッかっこいいよォ〜〜ッ!!

最後に、どんなバンドもライブよりアルバムの方がいいからライブふつうは見ないと いってたアメリカの友人、初めてJeffのライブを体験して、ワケわからないくらい興 奮していました。FUFUFU、そーでしょ、そーでしょ。ギターの一音、一発だけで鳥肌 が立つギタリストはJEFF BECKだけ。そして初めて体験した人は、なんだかとんでも ないものを前にしていると知るんです。 そして会場の雰囲気はど田舎!の印象からおおらかで温かみのある野外フェスとい う好印象で終わったのでありました。

by atsu.


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